四間飛車の定跡書おすすめ──読む前に、まず盤で並べてみる

本記事は書籍のアフィリエイトリンク(PR)を含みます。

四間飛車は、飛車を左に振って美濃囲いに組む、振り飛車の代表的な戦法です。守りの形がはっきりしていて、はじめて振り飛車を持つ方にも入りやすいと言われます。

とはいえ、定跡書をいきなり読み始めると、記号の並びだけが目の前を流れていって、なかなか手が頭に残らないものです。そこでこの記事では、「まず盤で並べてから本を選ぶ」という順番をおすすめします。基本の形が指先に残っていれば、本を開いたときの理解の速さがまるで違ってきます。

まず四間飛車を並べてみる

言葉で読むより先に、実際に駒を動かしてみましょう。感想盤のサンプル「四間飛車の基本」を開けば、下の手順がそのまま並んだ状態から始められます。

まずは角道を開ける手からです。▲7六歩と突き、△3四歩と応じられたところで、▲6六歩と突いて角道を止めます。この「角道を止める」一手が、四間飛車らしさの入り口です。相手の角と自分の角がぶつかったままにせず、落ち着いて自分の陣形を組む方針を選ぶわけです。

先手が6六の歩を突いて角道を止めた局面。飛車はまだ初期位置の2八にある。987654321
3手目 ▲6六歩まで — 角道を止める、振り飛車の第一歩

続いて飛車を振ります。▲6八飛と飛車を6筋へ——左端から数えて四つ目の筋に振ることから「四間飛車」と呼ばれます。

先手が飛車を2八から6八へ振った局面。左から四つ目の筋に飛車がある四間飛車の形。987654321
5手目 ▲6八飛まで — 飛車を6筋(四間)へ振る

飛車を振ったら、こんどは玉を囲います。玉を右へ寄せて2八まで運び、▲3八銀と上がり、▲5八金左と締めて、本美濃囲いが完成します。飛車を振った側と反対の端に玉を囲うのが、振り飛車の基本の考え方です。攻めと守りを盤の左右に分けておく、と覚えておくとわかりやすいでしょう。

四間飛車から本美濃囲いに組み上がった局面。玉が2八、銀が3八、金が4九と5八に並んでいる。987654321
17手目 ▲5八金左まで — 本美濃囲いが完成

なお、飛車をどこへ振るかには変化があります。サンプルでは5手目の分岐として、▲7八飛と振る三間飛車の形も収録しています。同じ「角道を止めてから飛車を振る」仲間ですので、四間飛車と見比べてみると、振り飛車全体の景色がつかみやすくなります。三間飛車を本格的に指してみたくなったら、三間飛車・石田流のやり方で攻めの形まで並べられます。

5手目に飛車を7八へ振った三間飛車の局面。四間飛車(6八)より一筋右に飛車がある。987654321
変化5手目 ▲7八飛まで — 7筋に振れば三間飛車

まずは手を動かして、この一連の流れを体に通してみてください。

基本手順を盤で並べる →

定跡書の選び方

盤で基本の形をつかんだら、いよいよ本選びです。選ぶときの軸は、大きく二つあります。

一つめは、自分の棋力帯に合っているか。 入門・初級の方は、まず「この戦法はどういう狙いで、どう囲うのか」という骨格を丁寧に説明してくれる本が向いています。逆に、手順はある程度わかっているという方が同じ本を読むと、少し物足りなく感じるかもしれません。中級以上になると、相手の対策(急戦・持久戦)ごとに指し方が枝分かれしていくので、その分岐を整理してくれる本が役に立ちます。

二つめは、「読む→並べる」を回しやすいか。 定跡書は、読むだけでは半分しか使えません。一節読んだら、その手順を実際に盤へ並べて、指の感覚として確かめる。この往復ができてはじめて、手が身につきます。図面が多く、区切りごとに「ここまでの形」を確認できる構成の本は、この往復と相性が良いです。

感想盤を横に開いておくと、この往復がぐっと楽になります。本の手順を初手から並べていき、途中でわからなくなったら少し戻す。ひとりで並べても、URLを送って誰かと一緒に確かめても構いません。読んだそばから盤で試す——この習慣が、上達のいちばんの近道だと考えています。

おすすめの定跡書

紹介する本は、実際に読んで内容を確かめたものだけを掲載する方針です。まずは入門〜初級の一冊から。急戦・持久戦対策など次の段階の本も、確かめられ次第この下に足していきます。

入門〜初級

1手ずつ解説する四間飛車

西田拓也 著(マイナビ将棋BOOKS)

Kindle Unlimited 読み放題対象(2026年7月4日時点。対象は変動します)

タイトルどおり、序盤の一手一手に「なぜその手を指すのか」の説明が付く四間飛車の入門書です。序盤の流れは、この記事で並べた基本手順と同じ骨格です。

Amazonで見る(PR)

※このリンクは広告です

本を手に入れたら、感想盤を横に開いて一節ずつ並べてみてください。盤駒とちがい、途中の分岐やメモをそのまま残せます(並べた盤は個人の検討用に)。

当サイトのサンプル盤にあるのは自作の基本手順のみで、書籍の内容の転載ではありません。基本の駒組みを盤で試す →

級位者向け

これだけで勝てる 四間飛車のコツ

大平武洋 著(マイナビ将棋BOOKS)

駒組みを覚えたあとの「実戦でどう指すか」を、四間飛車のコツとして絞って解説する一冊です。1冊目で基本の形が手に入ったら、その次の橋渡しに。

Amazonで見る(PR)

※このリンクは広告です

いずれの本も、読み始める前に前の章で並べた基本の形を一度おさらいしておくと、頭への入り方が変わります。

棋書は「読み放題」でも読めることがあります

Kindle Unlimited(月額制の読み放題)には将棋の本も多く含まれています。対象タイトルは時期により入れ替わりますが、気になる本が対象なら追加料金なしで読み始められます。

Kindle Unlimited 30日無料体験(PR)

※このリンクは広告です

源流をたどる──江戸時代の振り飛車

少し寄り道して、振り飛車の来歴に触れておきます。

振り飛車という指し方そのものは古く、江戸時代の棋譜にもその姿が見られると言われます。江戸後期には天野宗歩をはじめとする名手たちが活躍し、当時の実戦のなかにも飛車を振る将棋が残っているとされます【編集メモ: 確認中】

もっとも、現代の四間飛車と当時の振り飛車は、囲いも狙いも同じではありません。ですので「四間飛車の元祖」といった断定は避けておきます。あくまで、飛車を振るという発想がずいぶん昔から指され続けてきた、という読み物として受け止めていただければと思います【編集メモ: 確認中】

古典の将棋を盤で並べてみると、いまの定跡とのちがいがかえって基本の意味を照らし出してくれます。江戸期の一局を並べられるサンプルも準備中です。

よくある質問

Q. まったくの初心者ですが、四間飛車から始めて大丈夫ですか。 A. はい、向いていると言われる戦法です。美濃囲いという守りの形がはっきりしているので、「まず囲ってから戦う」という手順を覚えやすいのが利点です。まずは本記事の基本手順を盤で並べるところから始めてみてください。

Q. 定跡書は電子版と紙、どちらがいいですか。 A. 好みで構いません。ただ「読む→並べる」を回すなら、本を開いたまま横で盤を動かせる形が便利です。感想盤はブラウザだけで動きますので、電子版・紙のどちらと合わせても使えます。

Q. 本の手順を、指定した局面から並べ直すことはできますか。 A. 今のところ、感想盤は初手から並べていく形が基本です。手順を確かめたいときは、一手ずつ進めたり戻したりしながら並べてください。

Q. 一人で並べるのと、誰かと並べるのはどちらがいいですか。 A. どちらも役立ちます。一人ならじっくり、二人以上ならURLを送るだけで同じ盤を一緒に囲めます。わからない手を「これはどういう意味?」と言い合いながら並べると、記憶に残りやすくなります。

まとめ

四間飛車の定跡書は、たくさんあって迷いやすいものです。だからこそ、まず盤で基本の形を並べてから選ぶことをおすすめします。角道を止めて飛車を振り、美濃囲いに組む——この流れが指に残っていれば、どの本を開いても理解が早くなります。

本を読むときも、一節ごとに盤へ戻る「読む→並べる」の往復を忘れずに。送るだけで、一緒に並べられる。開けば、もう準備は完了です。

基本手順を盤で並べる →