目隠し将棋のやり方──脳内将棋盤は、段階練習で誰でも作れる

盤を見ずに、符号のやり取りだけで将棋を指す──目隠し将棋と聞くと、プロ棋士がテレビの企画でやってみせる曲芸を思い浮かべるかもしれません。「あんなの一部の天才だけの話でしょう」と。

半分は本当です。9×9の本将棋をいきなり目隠しで指すのは、有段者でも簡単ではありません。でももう半分は誤解で、目隠し将棋は段階を踏めば誰でも練習できる、しかも読みの力に直結する練習法です。この記事では、そのやり方を「挫折しない順番」で説明します。

目隠し将棋で何が鍛えられるのか

将棋の「読み」は、頭の中で駒を動かす作業です。3手先を読むとは、現在の盤面から3回、脳内の盤面を更新すること。このとき多くの人がつまずくのは、読みの途中で盤面がぼやけることです。「あれ、この変化だと3三の駒は何だったっけ」となって、また最初から読み直す。

目隠し将棋は、この「脳内で盤面を保持する力」──いわゆる脳内将棋盤を直接鍛えます。盤が見えない以上、局面を頭に置き続けるしかないからです。符号(▲5三歩のような表記)の運用も嫌でも速くなります。読んだ手を符号で言語化し、符号から盤面を再構成する往復こそが、目隠し将棋の練習内容そのものだからです。

挫折しない3つの工夫

やみくもに目隠しで指し始めると、ほぼ確実に3手で局面を見失って終わります。続けるための工夫は3つです。

1. 小さい盤から始める。 本将棋の局面は駒40枚・81マス。これを最初から脳内に置くのは無理があります。5五将棋(5×5盤・王金銀角飛歩)なら情報量はおよそ3分の1で、ルールは本将棋と同じ(成り・持ち駒・詰み)。脳内に盤を保持する感覚を、現実的な負荷で身につけられます。ここで掴んだ感覚は本将棋にそのまま持ち帰れます。

2. 目隠しを段階にする。 いきなり真っ暗にしない。①盤も駒も見える状態で符号入力だけに慣れる → ②駒の位置は見えるが種類が伏せられる → ③盤ごと隠す、と段階を踏みます。②の「駒伏せ」が絶妙な中間で、「どこに何かがいる」という配置の骨格は借りながら、駒の種類は自分の記憶で補う。脳内将棋盤の下書きを作る練習になります。

3. 苦しくなったら戻れるようにする。 目隠し中に局面を見失うのは失敗ではなく通常運転です。そのとき投げ出す代わりに、棋譜を読み返すか、目隠しレベルを一段下げて続行する。「見えない→少し見る→また隠す」の行き来が、結局いちばん早く脳内将棋盤を育てます。

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CPUとの5五将棋を、符号パッドの入力だけで対局します。目隠しは「見える/駒伏せ/目隠し」の3段階で、対局中いつでも切り替え可能。詰むか詰まされたら答え合わせ──隠れていた盤が現れて、頭の中の盤面と突き合わせられます。この瞬間が、目隠し将棋のいちばん面白いところです。

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符号がまだあやふやな方は、先に符号の読み方で座標の仕組みを押さえてください。10分で読めます。

練習メニューの目安

隣に置きたい練習が棋譜並べです。符号を読みながら盤に手を再現する棋譜並べは、目隠し将棋の「入力」側の訓練にあたります。詳しくは棋譜並べのやり方へ。

よくある質問

Q. 級位者でも効果はありますか。 A. あります。むしろ「読みの途中で盤面がぼやける」のは級位者に一番多い悩みで、5五将棋×駒伏せくらいの負荷がちょうど効く層です。9×9の完全な目隠しを目指す必要はなく、レベル2が安定するだけでも読みの体感は変わります。

Q. 毎日どのくらいやればいいですか。 A. 1局5〜10分で終わるので、1日1〜2局で十分です。長時間やるより、毎日短く続けるほうが定着します。

Q. 本将棋(9×9)の目隠しモードはないのですか。 A. まだありません。まず5五将棋で脳内将棋盤の土台を作るのが先、という設計です。9×9への拡張は反応を見て予定しています。

Q. 詰将棋とどちらが読みに効きますか。 A. 役割が違います。詰将棋は「正解手順を探す」訓練、目隠し将棋は「局面を保持する」訓練です。詰将棋を解いていて盤面がぼやけるタイプの方は、目隠し将棋が効きます。

まとめ

目隠し将棋は曲芸ではなく、小さい盤×段階的な目隠しに分解すれば誰でも取り組める練習法です。鍛えているのは脳内将棋盤=読みの土台。まずはレベル1で符号に慣れて、駒伏せで1勝──そこまで来れば、あなたの読みは始める前と確実に変わっています。

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